ヤンゲンの作り方|小豆あんと寒天で作るなめらかな韓国の菓子
ヤンゲンは、小豆あんを寒天で固めた韓国の菓子です。材料は四つだけ。小豆あんの炊き方、寒天の溶かし方、型に流してから固まるまでの見きわめ、切り分けて出すところまで解説します。

手順
材料
基本の材料
白あん250 g(8.81oz)
小豆あん250 g(8.81oz)
粉寒天5 g(0.17oz)
砂糖大さじ1
オリゴダン(올리고당、シロップ状の甘味料)大さじ1.5–2
水150ミリリットル
水溶きでんぷん
コーンスターチ10 g(0.35oz)
水40 g(1.41oz)
トッピング
松の実適量
かぼちゃの種適量
食用金箔適量
手順1:
小さなボウルに粉寒天5g(0.17オンス)を入れ、水150ミリリットルで溶いて10分ほどふやかします。
手順2:
ふやかした寒天を鍋に移します。砂糖大さじ1とオリゴダン大さじ1.5〜2を加え、弱火で寒天が完全に溶けるまで2分ほど絶えず混ぜます。
手順3:
白あん250g(8.81オンス)と小豆あん250g(8.81オンス)を加え、なめらかになるまでよく混ぜます。
手順4:
強めの中火で1分沸かし、中火に落として焦げつかないように絶えず混ぜながら、少しとろみがつくまで7分ほど煮ます。
手順5:
別のボウルでコーンスターチ10g(0.35オンス)を水40g(1.41オンス)に溶かします。
手順6:
小豆の生地が軽く沸きはじめたら火から下ろします。だまにならないように、水溶きでんぷんを混ぜながら少しずつ加えます。
手順7:
目の細かいざるでこして、泡と溶け残りを取り除きます。
手順8:
型に流し入れ、室温で30分ほど休ませてから、冷蔵庫で1時間以上冷やして固めます。
手順9:
松の実、かぼちゃの種、食用金箔などを飾ります。切り分けて、冷やしたまま召し上がってください。
編集部の解説
本場のヤンゲンを家庭で作る

ヤンゲン(양갱、小豆あんを寒天で固めた韓国の菓子)は、韓国で長く愛されてきました。口あたりはなめらかで、素材はもともとすべて植物性。韓国の小豆あん(英語)のもとになる小豆など四つの材料だけで、家庭でも驚くほど手軽に作れます。ひかえめな甘さと小豆の素朴な風味が釣り合い、加工菓子に代わる体にやさしい一品です。
この記事では、本場のヤンゲンを作る手順を紹介します。ヤンゲンは韓国のデザートを見わたす記事(英語)にも登場する、なめらかな昔ながらの植物性の菓子で、お茶の時間にぴったりです。上質な一品はクムオクタン(英語)でも味わえます。

韓国のコンビニをのぞいた方や、伝統的な茶席に招かれた方なら、ヤンゲンを目にしているはずです。ヤンゲンは、何世代も親しまれてきた韓国を代表する小豆のゼリー菓子です。絹のようになめらかで甘さはひかえめ。昔ながらの韓国の菓子と、今の体にやさしいおやつが重なる一品で、植物性の素材だけででき、甘すぎず、甘いものが欲しい気持ちを満たします。
ヤンゲンは韓国の文化の中で特別な存在です。子どものころを思い出させるおやつであり、お茶に添える品のある一品でもあります。甘さの勝った西洋の菓子と違い、この上品なゼリーは小豆本来の素朴さを前に出しつつ、ぜいたくに感じる甘さは残しています。
ヤンゲンはどこが韓国のものなのか

韓国でのヤンゲンの歩みは、文化がどう作り替えられるかを物語ります。ヤンゲンはもともと日本の羊羹から生まれた菓子で、その羊羹もさかのぼれば、中国の「羊羹」(羊のスープ)にたどりつきます。1945年の解放後、ヘテ製菓が日本人の残した工場を引きつぎ、韓国ならではのヤンゲンを作りはじめました。
韓国のヤンゲンを特徴づけるのは、甘さと食感の釣り合い方です。なめらかさは絹のよう、甘さはひかえめ。天然の小豆の軽やかな素朴さが、そのまま出てきます。ヤンゲンは日本のものほど密には詰まっていませんが、舌の上でとろける口あたりは備えています。
ヤンゲンに欠かせない材料
主な材料
パッ(팥、小豆)

- 韓国での呼び名:팥。「パッ」と読みます。
- 味わい:素朴で、ほのかな甘みとナッツの香りがあります。
- 役割:主役の材料で、独特の風味とクリームのような土台をつくります。
- 見きわめ方:粒が小さく色の濃い赤で、大きさのそろったものを選びます。
- 代わりになるもの:黒豆を使う人もいますが、本場の味になるのはパッです。
- 保存:乾燥豆は密閉容器で2年以上もちます。
ハンチョン(한천、寒天)
- 韓国での呼び名:한천。「ハンチョン」と読みます。
- 働き:ヤンゲンのゼリーらしい食感をつくります。原料は昔から韓国の海でとれる海藻です。
- 欠かせない理由:ゼラチンと違い、室温で固まり、暖かい時期でも形を保ちます。
- 入手先:アジア系の食材店や通販で、粉末かフレーク状で見つかります。
- 代わりになるもの:無味のゼラチンでも作れますが、食感がやわらかく、植物性でなくなります。
- 保存:乾いた場所ならほぼ無期限にもちます。
ソルタン(설탕、砂糖)
- 韓国での考え方:昔ながらの作り方は砂糖をひかえめにし、小豆の風味を生かします。
- ちがい:きび砂糖は深みを加え、白砂糖は小豆のすっきりした風味を残します。
- 加減のコツ:西洋の菓子より少なめから始め、足りなければ足します。
ソグム(소금、塩)
- 役割:ひとつまみで自然な甘みが立ち、味が引きしまります。
- 韓国での好み:きめの細かい海塩が合います。
好みで加える風味
パム(밤、栗):食感に変化が出て、韓国らしい季節感も加わります。
バニラエッセンス:今の使い方で、ほのかな香りを添えます。
緑茶の粉:美しい色合いが生まれます。

ヤンゲンを作る手順
小豆あんを作る(40分)
- 洗って選り分ける:乾燥小豆1カップを洗い、石や傷んだ豆を取りのぞきます。
- 30分ゆでる:水6カップを注ぎ、中火より少し強めの火で、豆がすっかりやわらかくなるまで煮ます。
- こして裏ごしする:ゆでた豆を目の細かいざるかフードミルでこします。
- あんを練る:厚手の鍋に移し、たえず混ぜ、とろりとなめらかになるまで火を入れます(10分ほど)。

大事なところ:なめらかに仕上げる鍵は、こすときに豆の皮を残らず取ることです。
ゼリー液を作る(15分)

- 寒天を溶かす:粉寒天小さじ2を冷水1/4カップと混ぜ、ぐらぐらと沸き立つまで火にかけます。
- 材料を合わせる:寒天液に小豆あん、砂糖1/2カップ、塩ひとつまみを加えます。
- ひとつに煮上げる:混ぜつづけ、5〜7分でつやが出てなめらかにまとまります。
- 味をみて調える:甘さが足りなければ砂糖を足します。ただし韓国の菓子は甘さひかえめが身上です。
固めて仕上げる(60〜120分)

- 型に流す:四角い容器か一人分ずつの型に流します。昔ながらの見た目なら長方形の型です。
- しっかりさます:室温になるまでおき(30分ほど)、冷蔵庫で1〜2時間ひやします。
- 型からはずす:ふちにナイフを一周させ、そっと返します。
- 切り分ける:2×3インチほどの形のそろった長方形に切ります。

作り方のちがいと今のアレンジ
昔ながらの変わり種

パムヤンゲン(밤양갱、栗のヤンゲン):歌手ビビのヒット曲「Bam Yang Gang」で近ごろ広く知られました。まるごと煮た栗をゼリーに埋めこみます。
緑茶のヤンゲン:抹茶の粉を混ぜると、美しい色とほのかな苦みが出ます。
さつまいものヤンゲン:小豆の代わりにさつまいもを使い、西洋の人の口にも合います。
手早く作る今どきの方法
市販の小豆あんを使う:下ごしらえの手間が大きく減り、本場の風味は保てます。
一人分ずつの型に流す:今どきの見た目になり、食べる量も決めやすくなります。
層に重ねる:小豆と緑茶を交互に重ねると、見た目にも楽しめます。
韓国の材料をもう一歩掘り下げる
韓国で小豆が持つ意味

小豆は、たんぱく質が多く、食物繊維や抗酸化成分もふくむ豆です。韓国では悪いものを遠ざけると考えられ、縁起のよい食べものとされてきました。祝いの席の料理や儀礼の場によく登場します。
本場のパッをえらぶ:アジア系の食材店で「アズキ」か「レッドビーンズ」の表示を探します。金時豆やほかの豆で代えないでください。なめらかなあんに欠かせないでんぷん質がないからです。

下ごしらえのちがい:あんに粒を残す家もあれば、何度もこしてなめらかに仕上げる家もあります。昔ながらの作り方は根気よくこすことで、絹のような口あたりを生みます。
韓国料理での寒天とゼラチンのちがい
韓国の寒天は、沿岸でとれる海藻を地元で加工して作られます。ゼラチンよりしっかり固まり、暖かい場所でも食感がくずれません。室温で出すことの多い韓国の菓子には欠かせません。
品質のちがい:上質な韓国産の寒天は、澄んでしっかり仕上がります。海藻をとって加工する手間がかかるぶん、ゼラチンより高くつきます。
栄養の内訳と体にうれしい点
ヤンゲンはひと切れ(50g)でおよそ80〜100キロカロリー。脂質0.5g、炭水化物18〜20g、たんぱく質3〜4gほどです。次のような特徴があります。
- 脂質もコレステロールもふくみません。
- 小豆由来の植物性たんぱく質が豊富です。
- 食物繊維が多く、おなかの調子を助けます。
- 砂糖の量がひかえめです。西洋の菓子の多くより少なめです。
- 寒天で作れば、もともとグルテンを含みません。
小豆には抗酸化成分や葉酸のほか、鉄やカリウムなどのミネラルもふくまれます。菓子としては、思いのほか栄養があります。
文化的な背景と出し方の習わし
韓国でヤンゲンを食べる場面

お茶の時間に:冷やして苦みのある緑茶やコーヒーと合わせ、甘さを釣り合わせます。
学校のおやつに:遠足や放課後のおやつとして親しまれてきました。
贈りものに:祝祭日や特別な日に、美しい箱に詰めてよく贈られます。
近ごろの再流行:Z世代の間で栗のものが話題になり、伝統菓子への関心が戻りました。

韓国らしい盛りつけ方
昔ながらのヤンゲンは、形のそろった長方形の姿で並びます。持ち運びやすいよう一つずつ包まれていることも多く、包みがたいていぴったり付いているので、鮮度が保たれ、手を汚さずに食べられます。
出すときの温度:かならず冷やして出します。食感がよく、口あたりも涼やかです。
一切れの大きさ:韓国では西洋の菓子より小ぶりで、40〜50gが目安です。
うまくいかないときの見直し方
よくある失敗とその直し方
ざらつく:たいてい、あんをこす作業か火入れが足りません。
やわらかくて型からはずせない:寒天の割合を増やすか、しっかり沸き立たせます。
甘すぎる、味がぼやける:韓国の菓子は苦みのある飲みものと合わせて甘さを釣り合わせます。砂糖は少しずつ調えます。
さめるときに割れる:表面に直接ラップを密着させ、膜が張るのを防ぎます。
保存と食べる前の戻し方
冷蔵する:ラップで包めば4〜6日ほどもちます。
冷凍する:食感が大きく変わるのでおすすめできません。
保存したあと出すとき:15〜20分ほど室温にもどします。
よくある質問
このレシピの韓国らしさはどこにありますか?

本場のヤンゲンは、甘さをひかえて小豆本来の風味を前に出す配合です。密に詰まった日本の羊羹とは、そこが違います。韓国での作り方は1945年以降に独自の姿となり、甘さはひかえめ、豆の質を大切にするものになりました。韓国らしさの手がかりは、パッ(アズキ)、韓国式の寒天の扱い、分け合いやすい昔ながらの長方形の姿です。
韓国の寒天や小豆が手に入らないときはどうすればよいですか?
日本では、韓国食材店やアジア系の食材店、国内の通販サイトで粉寒天も小豆も買えます。アジア系の食材店や、H-Mart、Weee!、Amazonといった通販なら、本場の韓国産の粉寒天とパッが手に入ります。ただしH-MartとWeee!は米国向けの通販です。寒天の代わりには、無味のゼラチンの粉を1袋あたり7g(小さじ2と4分の1)使います。ただし食感はやわらかくなり、本場の味からは遠ざかります。手早く作るなら加糖の缶入り小豆あんでも作れますが、砂糖の量は合わせて調えます。金時豆や黒豆で代えてはいけません。必要なでんぷん質も風味もないからです。
ヤンゲンが固まったかどうかはどう見分けますか?
きちんと固まったヤンゲンは、そっと押すとしっかりして、わずかに押し返してきます。かために仕上げたプリンに近い手ごたえです。表面はなめらかにつやが出て、ひび割れがありません。型からはずしても、たれたり崩れたりせず形を保ちます。寒天なら室温で30〜60分、ゼラチンなら冷蔵庫で2時間以上おく必要があります。よく切れる包丁なら、角が立ったまますっと切り分けられます。
ヤンゲンには何を合わせますか?
韓国では昔から、苦みのある緑茶と合わせます。対照的な味が互いを引き立てるからです。今の韓国の家庭では、ブラックコーヒーやアメリカーノと楽しむことも増えました。デザートなので、パンチャン(반찬、韓国の副菜)は必要ありませんが、韓国梨や柿のような果物はよく合います。甘い飲みものと合わせるのは避けてください。甘さが重なってくどくなります。改まった席では、韓国の伝統的な茶器と小さな菓子皿で出します。
分量を増やすときと道具のこと

仕上がりを左右する道具
厚手の鍋:あんを焦がさず均一に火を入れるのに欠かせません。
目の細かいざる:絹のような口あたりはここで決まります。
フードミルかハンドブレンダー:豆の皮を効率よく砕きます。
長方形の型:昔ながらの形です。手持ちの型でもかまいません。
よく切れる包丁:固まったゼリーをきれいに切り分けます。
作る量を変えるときの割合
ヤンゲンの分量は2倍にも3倍にも無理なく増やせます。割合は変えません。豆1カップに対して寒天は小さじ2、砂糖は1/2カップです。大人数の持ち寄りや作りおきにも向いています。
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